「日常ー学び」では発達障害を持つ我が家の姉妹のエピソードや、そこから学ぶこと、ちょっとクスっと笑える日常の会話など、息抜きになるようなお話も書けたらと思います。
↓↓このお話はこんな方に読んでいただきたいです!↓↓
我が家にはASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けている姉妹がいます。
同じASDと言ってもその特性の出方はまるで違い、日々「同じASDの診断を受けていてもこんなに違うのか…」
と驚かされます。
今日はそんな長女(小学5年生)と次女(小学3年生)の特性を比較してみたいと思います。
※医師からは特に長女はADHDの要素は無いと断言されましたが、私個人的にはADHD的要素を感じています。今回は私から見る二人の特性目線なので詳しい方はASD以外の要素も読み取られるかもしれません。
ですが一応診断名は二人ともASDということですので、それを前提に参考までに比較してみたいと思います。
長女と次女の特性
長女の場合:マイワールド展開!マイペースな感覚と衝動のジェットコースター
長女は一言で言うと、「超絶マイペースな気分屋」といった感じでしょうか。
常に脳内で慌ただしく楽しいことを考えていて、授業中もあまり身の入らな様子をよく見ることがありました。ただ、不安も強く、不安や不満を脳内で繰り返しているときも多いようです。
全力を向ける対象を自分で見つけることが苦手で、見つからなければシャットダウンしてしまうという印象ももっています。
つまり、注目することがはっきりしていれば、それを楽しむことができますが、そうでなければ脳内が混沌として不安も増大してしまうといった印象です。
基本的には注意散漫で、過集中はありますが、興味の対象を日をまたいで持続することが難しく、日ごとに興味を持つことを一から始めないといけないイメージ。
※動画、テレビ、ゲームは別。常に興味対象。依存傾向。
過集中や頑張りすぎによる疲れに気づきにくく、突然の疲労を感じやすいと思います。
さらに印象的なのが、「自分って何でもできる!でも何もできない…」という自己評価の上下が激しところです。
基本的にはコミュニケーションが苦手。リラックスできる場では一方的にマイワールドを展開するが、人とのかかわりも一方的になりがちです。
安心したいときは、モフモフしたものを身につけたり、ぬいぐるみやハンカチを手に持っています。
以下にざっくりと思いつく特性をまとめてみました。
① 不注意・衝動・多動の傾向?
- 学校では常に足や手がもぞもぞ動いている、頭をかきむしる、顔を触るなど、せわしない様子。一見すると授業を聞いていないように見える。
- 家では常に話しているか歌っている。
- タイミングを考えずに人に話しかけてしまう
- 注意が散りやすい(ぼーっとする)
- 整理整頓・衛生管理ができない
- 妹につい余計なちょっかいをかける
② 感覚の特性
- 着られる服が限られる(数枚のパターンをローテーション・ただし、目新しいものは一度着る)
- 食べ物の味にとても敏感(ソースや食材の組み合わせ、形状で食べられないものも出てくる)
(でもおいしそうな物は食べたい) - 聴覚情報が入りやすい(歌はすぐに覚える、リズム感がある)
- 気温(暑い、寒い)に関しての感覚鈍麻がある
③ 情緒・自己認識
- よくイライラする
- イライラすると爆発的、衝動性も顕著になる
- 「なんでもできる」時と「何もできない」時が極端
→自己評価が安定しづらい印象(客観性が持てない) - 他人の気持ちがわからない・コミュニケーションが苦手
- 感情の波が強く、頭の中の整理も極端に苦手
④ 睡眠・エネルギー循環の特徴
- 幼少期から基本昼寝はしない
- 5年生あたりから日中の情報処理が多いと突然シャットダウンしたように寝ることが増えてきた。
- 本人の気づかない疲労と興味対象が無い時のストレスが大きく、エネルギーのコントロールができない
次女の場合:秩序とルールを大切にする 観察力のある職人気質
一方、次女は一見するとまったく違うタイプ。
一言でいうと、「秩序とルールをを大切にする、観察力のある職人気質」といった様子です。
が、ここで難しいのが観察力の中に多分に固定観念が入っていて、柔軟性を取り入れにくいので他人を許容し辛いということです。
また、「慎重派で、もちまえの観察力を生かして余計なことをしない」論理派タイプで、人との距離感や空気を読むことは苦手ですが、その分余計なことをしないように動きは最低限にして社会に適応しようというタイプだと感じています。
その分外で「ちゃんとしなきゃ」に縛られてしんどくなり、家で愚図ることが多いです。
① こだわり
- 上下関係、先生、規則を重視
→ 自閉スペクトラム(ASD)の傾向に見られる「秩序」への安心感がとてもある。 - 善悪の白黒思考が激しく、少し嫌なことをされると「いじめ」があるからこの場所はダメだ!と判断しがち。
- 言葉にこだわる
- 文字を丁寧に書くことにこだわる
- 線の弾き方や色の塗り方にこだわりを見せる
② 不注意
- 不注意が多く、宿題や筆箱などを部屋の各所へ持って行ってはそのままにして、視界に入らないものは忘れてしまうので忘れ物が多くなる。
- 気になるものに興味が移ってなかなか宿題ができない。 など
③ 感覚の特性
- 視覚優位。視覚・見た目・食べ物の見た目に敏感
→ 嫌いなものは視覚から入る、ケガの痛さも視覚から入る - 気温(暑い、寒い)に関しての感覚鈍麻がある
- 皮膚感覚は鈍麻だと見ていて思う
- 感覚の仕分けが大雑把
例:味濃いめだと酸っぱいも塩辛いも香辛料の刺激もすべて”からい”
風が吹くと夏でも冬でも”寒い” など
④ 自分の体調の変化に敏感
- 必要以上はお菓子であっても食べない
→ 自分の体内感覚はしっかりキャッチできる(長女と対照的な点)
⑤ 情緒・自己認識
- 外では情緒を保つことができる(実は秩序を保ちたいために我慢していることが多い)
- 家では比較的安定しているが、頻繁な愛情確認がいる
- 比較的客観的に自己認識をしている面もあるが、混乱するとすべてが否定的になり、頑なになる
- 外的要因のストレスに弱い(クラスメイトに何かを言われた、後ろからつんつんされたなどに心が折れるほど傷つく)
⑥ 細かい作業や反復動作が好き
試験管のようなものに水を少しずつ入れる、紙を細かく切る、小さいものを並べるなどが好き。
「こだわり・繰り返し」が得意なタイプ。これをしていると集中できる様子。
同じASDでもこんなに違う!? 比較表にしてみた
| 長女 | 次女 | |
|---|---|---|
| 区分 | マイワールド展開!全力でマイペース、感覚と衝動のジェットコースター | 秩序と観察の職人肌、マイペースでルールの守護者 |
| 一言で言うと | 感覚の波と衝動性に振り回されながら全力で生きるタイプ。全力を向ける対象が見つからないとシャットダウン。 | 秩序とルールを大切にする職人タイプ。ルール・秩序など、安心感をもって正解が決まっている物事を思考の軸している。 |
| ① 不注意・衝動・多動の傾向 | ・そわそわしている、もしくは脳内多動の傾向 ・授業中落ち着かない ・常に話している ・待つことができない ・注意散漫・過集中あり ・整理整頓が苦手 ・妹にちょっかいを出す | ・不注意あり(忘れ物、なくしもの) ・視界に入らないものは忘れる ・気になるものにすぐ注意が移る |
| ② 感覚の特性 | ・聴覚優位 ・味覚に敏感 ・触覚にこだわり ・気温感覚鈍麻 | ・視覚優位 ・味や痛みを「見た目」で判断する傾向 ・皮膚感覚鈍麻 ・気温感覚鈍麻 ・感覚の仕分けが大雑把(味覚、触覚など) |
| ③コミュニケーション | ・相手のペースを読まずに関わる ・相手の気持ちをつかみにくい | ・相手の気持ちをつかみにくい ・社会ルールに沿って関わろうとするため、文句を言うことが多くある。 ・上下関係、肩書、年齢にこだわる |
| ④苦手なこと | ・時間感覚 ・整理整頓 ・衛生管理 ・習慣化 ・空気を読む(気にしないで行動) | ・時間感覚 ・柔軟性 ・変化への対応 ・人との距離感 ・空気を読む(気にして行動しない) ・外的ストレスに弱い |
| ⑤ 強み・得意分野 | ・聴覚情報の整理、記憶に優れている ・エネルギーが大きく、好きなことへの集中力が高い | ・観察力 ・丁寧さ ・秩序感覚 ・細かい作業 ・規則性のある活動が得意 |
| ⑥情緒・自己認識 | ・イライラしやすく爆発的・感情の波が強い ・頭の中の整理が苦手 ・自己評価が安定しにくい | ・外では情緒を保つ ・家では比較的安定、愛情確認が必要 ・外的刺激(人の言葉・接触)に敏感 ・冷静な環境では客観視できるが混乱時は頑なに否定的 |
| ⑦見ていて感じる困りごと傾向 | ・注意の持続が難しい ・感情の波が大きく、切り替えに時間がかかる ・自分で目的を見つけるのが苦手 ・その都度で興味の持てることを見つけられなければ脳がシャットダウンしてしまう ・モヤモヤを抱えやすい | ・注意の持続が難しい ・切り替えに時間がかかる ・柔軟性を身に着けるのに時間がかかる ・白黒思考が強く他を許容しにくい ・ストレスを抱えやすい |
| ⑧ 睡眠・エネルギー | ・幼少期は昼寝をしなかった ・5年生で突然シャットダウンのように眠ることが増える ・疲労感に気づきにくい ・エネルギーが有り余ってイライラ、脳内のグルグルにつながることが多い ・興味を持つことを自ら見つけることが苦手で、することが無いと逆に脳内が整理できなくなる様子 | ・幼少期は昼寝をしない ・私から離れると寝ない(感覚過敏と不安の強さ) ・現在は睡眠のリズムは安定 ・人と関わればかかわるほど、動けば動くほど疲れやすい |
| ⑨自己評価 | 極端に上下する自己評価 | 比較的客観的に自己認識できるが、混乱時は全て否定的で頑なになる。 |
親として思うこと

どちらもASDの診断ですが、関わり方はまるで違います。
「同じ診断名だから」「同じ兄弟姉妹だから」という考え方では、うまくいかないことも多くあります。
でも、共通して言えるのは、それぞれの世界の中で一生懸命生きているということ。
姉妹を見ているとそれをとても強く感じます。
だからこそ私が教えられたこともたくさんあります。
- 長女は、感じるままに、動くままに。
- 次女は、観察しながら、整えながら。
それぞれの「困りごと」には理由があり、「安心できる工夫」もまた一人ひとり違います。
つまり、それぞれのアプローチの仕方、声のかけ方やタイミング、放っておくタイミングなども違うと思っています。
難しいなと思う反面、その違いは面白いなと思うところでもあります。
さいごに:発達特性は「型」じゃない

ASDといっても、十人十色。
「発達障害」と呼ばれる特性は、診断名で説明しきれない、その子自身の生き方そのものなんだな。と感じます。
同じ環境で育つ姉妹にもこんなにも違いがあります。
私はその個々の生き方を応援できる人になりたいとつくづく思います。
同じ診断をもっていても、表れ方はこんなにも違う。
「理解する」ことよりも、「違いを知る」こと。
それが、親としての最初の一歩なのかもしれません。
発達障害を持つ子は読み解きが複雑です。
けれど、発達障害を持つ子も、そうでない子も、どちらも親としてやってあげられることは「その子らしい」日々を見つける手伝いをすることなのかなと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。よかったら、ほかのエピソードにも寄り道していっていただけると嬉しいです。↓





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