同じASDでもこんなに違う 休日の過ごし方から見る姉妹の特性

菜の花畑に女の子二人が寄り添って立つ写真 発達障害

※この記事は2026年4月15日にnoteへ投稿した記事を発達障害の知識も踏まえたうえでリライトしたものです。

もうすぐ春休みだ。と、休み中の放課後デイサービス(以下、放デイ)の予定を入れていたはは。

すると、姉妹が「一人で行きたい!」と言います。

当初は別々に行かせることを希望していたはは は、「よっしゃ!そうしよう!!」とその自立心を育てたいという思いから、それぞれで放デイへ通う時間を追加しました。

けれど結果として、この春休みは想像以上に“忙しい休み”になってしまいました。

宿題がなかったことがせめてもの救いでした。

そうして姉妹別々で休日を過ごすことになった子どもたち。

その様子をみて実感したのは、「楽しんで活動できること」と「負担なく過ごせていること」は必ずしも同じではないということでした。

同じASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けている姉妹でも、その疲れ方やストレスサイン、休日の過ごし方は驚くほど違います。

今回は、春休み中の様子を通して見えてきた、姉妹それぞれの休日の過ごし方からみた特性の違いについて、発達特性の視点を踏まえてまとまてみたいと思います。


同じASDでも現れ方はまったく違う

ASDという診断名は同じでも、実際の特性の出方は一人ひとり大きく異なります。

今回、春休みの出来事から見る違いは

  • 疲労の感じ方
  • ストレスへの反応
  • 一人時間の過ごし方
  • 感情の整理の仕方

です。

ASDの子どもたちは、外から見えにくいところで常に多くの情報を処理しています。

  • 人とのやりとり
  • 音や視覚情報
  • 予定の変化
  • 空気を読む負荷
  • 感情の整理

こうした積み重ねは、学校へ行く事以外でも、たとえ自分で望んで行く楽しい環境であっても、どうしても負荷になる部分があるということを、今回の春休みをとおしてとても感じています。


長女の場合

止まった瞬間に現れる「脳疲労」

長女は5年生頃から、日々の負荷が帰宅後や休日に大きく出るようになりました。

長女にとって、5年生の後半から通い始めた放デイは楽しい、自分を解放できるリセットの場のように感じていました。

ただ、今回はさすがに放デイの予定を詰めすぎました。

休みの後半になると、一人で過ごす休日に強い疲労が現れるようになったのです。

特に感じるのは、共有する相手がいないと一気にエネルギーが切れることです。

調べてみると、これはおそらく支援や臨床の場で言うオーバーロード』と言うものではないかと思います。

オーバーロードとは

脳の負荷が大きく、情報過多、刺激過多を起こしている状態で、シャットダウン(※後述あり)やメルトダウン(発達障害、特にASDの人に起こりやすいと言われる感情、行動が制御できなくなる状態。コントロールできない。)の前に起きやすい状態。

  • 頭がいっぱい
  • いらいら
  • 急に疲れる
  • 言葉が出にくい

などの状態になる

まさに長女にもストレス限界突破の初期段階としてぼーっとしていたり、イライラが止まらない様子が起こります。

また、普段の長女は家でもずっと話していて、常に何かしら動いていますが、

一方で、自分から「次に何をするか」を見つけることは苦手です。

これはASDでよく見られる『実行機能』の特性の一つとも考えられます。

実行機能とは、

  • 目標を見つける、やることを思い出す
  • 優先順位をつける
  • 行動を開始する
  • 切り替える
  • 不要な行動の制御

といった脳の働きです。

我が家の例で言うと、遊び道具が視界に無いと、いつも遊んでいるものすら思い出しにくい様子があり、活動のスタートにはきっかけと、そもそも本人の圧倒的興味が必要です。

参考記事:実行機能と発達障害 https://www.kaien-lab.com/useful/3-traits/executivefunction/#i


「シャットダウン」という疲労サイン

長女の特徴的な反応は、疲れが限界に近づいた時に起こる“停止”です。

元気に見えていたのに、本人の動く目的がなくなる(興味のもてるものが明確に目の前にない)と、急に動きが止まり、そのまま眠ってしまいます。

私はこれを家庭内で「シャットダウン」と呼んでいたのですが、どうやら専門的、と言うか、実際に支援の現場や臨床の現場でも『シャットダウン』と言われているようです。

専門的にはどういった状況なのか、調べてみると、AIの回答では、これはASDの子どもによく見られる『神経的オーバーロード後の機能停止反応』に近い状態だとありました。

シャットダウンとは、

刺激や情報処理が限界を超えると、

  • 無言になる
  • フリーズする
  • 動けなくなる
  • 急に寝込むように見える

といった反応が現れます。

これは怠けているのではなく、脳が防御反応として強制的に休息に入っている状態です。

特に平日を頑張り続けた後、休日にまったく動けなくなるというのは、発達特性のある子どもにも大人にもよく見られると聞きます。

こうして、長女にとっては、「動けなくなった時」が疲労のサインなのです。

止まった時にしかその疲労に気づけない、傍から見ていると、その前段階の止まりかけの状態の時(オーバーロード)に初めてこの子は疲れているんだなと気づくので、その都度そっとして休ませるという対応しかできませんが、その状態を見逃さないように気を付けています。

そして、今のところ、この状態を回復する手段は、十分な休息と本人の「楽しい」感覚。この二つかなと感じています。

もう少し成長すれば、このサインを長女自身が理解し、

「今、疲れているんだな」
「少し休もう」

と自己認識につなげていけることが大切だと感じています。


次女の場合

疲れていても止まらないタイプ

一方、次女のストレスの現れ方は長女とはまったく違います。

日中に眠ることはほとんどありません。

休日だとわかると、あえてパジャマのまま過ごし、自分なりに“休むモード”へ切り替えている様子があります。

はは としては、自分で自分を調整する力がついてきているのかなととても喜ばしいことです。

長女よりも、日々のストレスを本人が認識しやすい印象があります。

ただし、こちらも同じく、

「何をしたらいいかわからない」

と聞いてくることは多いです。

ここにもASDに見られやすい実行機能の特徴があるかと思います。

ただこれについても違う部分があって、次女は複数の選択肢を提示すると、自分で選び、その後は一人で遊びを発展させることができます。

例えば、

  • 塗り絵
  • お絵描き
  • おもちゃ
  • 途中までやっていた遊び

など、きっかけさえあれば自分の世界に入って楽しめます。

この点は長女との大きな違いです。

この時は一人とても楽しそうに双六をしていたので、どういうルールで進めているのかがとても気になりました。


ストレスは後から身体に出るタイプ

次女の特徴は、脳ではなく、身体症状として遅れて現れることです。

ただ、脳のモヤモヤや不快な心的状態は帰宅後の”愚図り”という形では出ていて、はは の次女への日々のストレス度合いの判断基準になっています。

そしてそのストレスが限界を迎えると、

  • 腹痛
  • 胃の不調
  • 一晩だけの高熱
  • 知恵熱のような発熱

といっ体調不良として出てきます。

これは発達特性のある子どもに比較的よく見られる『心身相関(ストレスの身体化)』の一つと考えられるようです。

ASDの子どもは不快感や不安を言語化しにくいことがあり、その分、身体症状として出やすい傾向があります。

これも次女を見ていて非常に感じることでもあり、夫や、知り合いにもこういった症状を抱えている方がいます。

特に胃腸症状はストレスの影響を受けやすく、

  • 自律神経の乱れ
  • 緊張状態の持続
  • 認知の偏りによる不安増幅

が背景にあることも少なくないそうで、次女の日ごろからの点で言えば、

  • 異常に肩に力が入っていて、背中が板のように固く感じる
  • 腹痛や関節の痛みをよく訴える

などから思考や自律神経の乱れから筋肉の緊張や関節のこわばりが出ていることが感じられています。

また、これらは週末に起こりやすいなと感じていることも、普段のストレスに耐え、休日の安心感から体調を崩しやすいなどがあるのかな?と想像したりします。


姉妹で共通して言えること

これまで姉妹のストレスサインについて書いてきましたが、姉妹が共通して言えることがあります。

それは、ストレスを非常に受けやすい反面、それに本人は気づきにくいということです。

専門的には 内受容感覚 と呼ばれるもので

これは、

  • 心拍が速い
  • 胃が重い
  • 肩に力が入っている
  • 呼吸が浅い
  • 疲労感
  • 空腹・喉の渇き

など、体の内側のサインを感じ取る力です。

ASDの方の中には、この感覚が弱かったり、逆に強すぎて混乱しやすい方がいるそうです。

長女も次女も明らかに疲れた様子を見せるのに「疲れていない」とはっきり言うことが日常的にあります。


同じ診断名でも、サインは全然違う

こんな風に、同じ診断名でも姉妹で全くストレスや疲労の現れ方が違います。

だからこそ、親として大切なのは、診断名ではなく

その子のサインを見ること

なのだと改めて感じています。

同じ診断名でも、支援は「別々」で考える

今回改めて感じたのは、同じASDでも支援の仕方は全く同じではいけないということです。

長女は
止まった時に疲れが見えるタイプ

次女は
溜め込んで身体に出るタイプ

だからこそ、

  • 長女には情報量と予定の詰め込みすぎを防ぐ
  • 次女には不安の言語化と休息の見える化を意識する

それぞれ別のサポートが必要だなと思います。

診断名で一括りにせず、子ども本人のサインを見て支援を変えることが何より大切だと感じています。

二人の違いは、きっと強みにもなる

とても仲の良い姉妹ですが、理解の仕方や感じ方が違う分、喧嘩も多いです。

正直、子育てとしてはかなり難しい…!

途方に暮れて深いため息をついてしまうことも多々あります。

でも、身近に自分とは同じ感覚を沢山持っていて、違う感じ方をする相手がいることは、二人にとってきっと大きな強みになるはずだとも思うのです。

お互いを知ること。
自分を知ること。

そして、それぞれの得意で補い合って成長していけること。

その橋渡し役として、母である私がそばにいられたらと思っています。

それから、次の長期休みは――

予定を詰め込みすぎないこと。

これを母の大きな反省点として、しっかり活かしていきたいと思います。

はは
はは

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。よかったら、ほかのエピソードにも寄り道していっていただけると嬉しいです。↓

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