申請の知識がないことで遠回りしてしまう
前回、前々回と次女の気になっていたことについて書いてきましたが、ここでは療育の利用を決めてから、実際療育を利用できるまでを書いていきたいと思います。


我が家の場合は個人的な理由もありますが、診断されてから療育を利用できるまでがとても長くなってしまいました。その期間、個人的な要因を除いても約6か月。
全体の流れや必要な書類について、知識が何もないまま、医師からの説明のみを頼りに動いたことが原因だと感じています。
悩んでいらっしゃる方、今すぐ対応をしたいという方に我が家のような遠回りをしないように、参考にしていただければ嬉しいです。
療育とは
療育(発達支援)とは障がいのあるお子さまやその可能性のあるお子さまに対し、個々の発達状況や特性に応じて、今の困りごとの解決と、将来の自立と社会参加を目指し支援をすることです。
引用:LITALICOジュニア 療育(発達障害)とは https://junior.litalico.jp/about/hattatsu/nursing/
療育を利用するには? ー『通所受給者証』を知らなかったことで遠回り
ここでは療育を利用するまでに踏んだ手順(遠回り)のことと、医師による診断から申請まで本来の利用の流れはどのようにできたのかについて書いていきたいと思います。
さて、我が家の場合、いよいよ療育を受けたいと、まず診断を受けた医師に”意見書”というものを書いてもらいました。
そして、後は住んでいる地域の担当窓口、我が家の場合は区役所にある保健福祉センターの保健福祉課へ持って行くだけだったのですが、ここからとても時間がかかってしまいます。
この時点では、私は”療育手帳”というものを申請しなければならないと思っていました。かかりつけ医との会話で療育手帳の名前が出たので、”療育を受けるためには療育手帳というものが必要なのだ”と思ったのです。
そうして申請したところ、「こども相談センターにて検査をしてください」と言われました。その予約が3か月ほど先でした。
ようやく来たこども相談センターでの検査当日。
こども相談センターでも医師の意見書を提出していたので、次女に知的な遅れがないことを確認した担当の方が
療育手帳の取得は、知的障害があることが条件にあるので取得はできないこと
療育手帳の取得目的でなくても検査はできるので、どうするかの確認をされました。
言われたままに来た私は、「???」

えっと、私は何をしにきたの?
詳しく聞くと、療育を受けるために、こども相談センターでの検査は必要ないこと、”意見書”にて”障がい児通所受給者証”を区の保健福祉センターに申請しに行くことで療育の利用ができるということでした。

ええええ!何をするのに何が必要か、さっぱりわからないから聞いたまま動いたらとんでもない遠回りになってしまった!!
そして再度、診断した医師の”意見書”をもって障がい児通所受給者証を取得するために市の区役所の福祉課へ申請しに行くことになりました。
療育は『障がい児通所受給者証』の取得で利用できる
療育を利用するには『障がい児通所受給者証』もしくは『障がい児入所受給者証』の取得が必要になります。これは福祉サービスを利用するための証明書です。これにより、児童発達支援や放課後等デイサービス、訪問支援員が学校などに来て支援を行ってくれる保育所等訪問支援などを利用できます。
また、この証明書により、公費負担で利用できるようになります。(世帯収入によって決定)
『療育手帳とは知的障害のある方が申請できる障がい者手帳です。取得することで税金の軽減などの生活面や、障がい者求人に応募できるなどの就職面でさまざまなサポートを受けることができます。
参考:AIAI VISIT https://visit.aiai-cc.co.jp/column/care-certificate/
引用:LITALICOワークス https://works.litalico.jp/column/system/013/
通常の申請手順(次女の場合)
なので、次女の場合で言うと本来、障がい児受給者証の取得は
医師に”意見書”を書いてもらう
→ 区の保健福祉センターにて障がい児通所受給者証を申請する
→ 利用したい施設を探す。
という手順でよかったというわけです。
詳しく言うと、意見書のほかにも支援が必要だとわかるもの(診断書や手帳)があれば受給者証は申請可能なようですが、各自治体によってや、受けたい療育の種類によって異なったりするようですので、お住いの自治体で確認してからの方がよさそうです。
参考:AIAI VISIT https://visit.aiai-cc.co.jp/column/care-certificate/
申請者と申請期間
個人的なことですが、私は持病で半年以上前に手術をしており、その回復を待つために申請に行くまでにも時間を取りました。
次女についての説明するためには私自身が福祉課へ行った方がいいと思い、体調の回復を願って3か月ほど待ちましたが、結局あまり改善せず。おばあちゃん(私の母)に行ってもらうことになりました。
子ども相談センターの話
さて、障がい児通所受給者証の申請にとても時間がかかってしまった我が家ですが、子ども相談センターではせっかくなのでそのまま検査をしました。検査をした感想としては、とても有意義な情報を得られたので結果オーライでした。

結果オーライ!検査してよかったよ!
子ども相談センターで次女が行った検査は”新版K式発達検査”というもので、姿勢・運動領域、認知・適応領域、言語・社会領域などの検査課題への子どもの反応から発達の状態を多面的に評価するものだそうです。
参考: LITALICO 発達ナビ https://h-navi.jp/column/article/35025658
子どもの能力が年齢なりの成長をしているかどうか、それ以上か、ゆっくりかの判断を数値としてみることができます。
検査結果はあくまでも目安ですが、(そのテストを受けた際のコンディションでも前後はあると担当の方は言っていました。)子どもの得意な要素、不得意な要素、それによって日常生活にどのような困りごとが起こりそうかを丁寧に説明してくださり、日常の困りごとの原因と対策のヒントが手に入れられたり、親としても認識をしやすくなりました。
そして、私の場合は、検査のおかげで日常の謎が一部解けたことで、怒らなくて済むことが増えました。
子ども相談センターは各市町村によって多少名称も異なるようですが、発達障害に限らず、子どもの発達について相談や検査ができる場所なので、気になる方は一度相談されてもいいと思います。
療育を探す
さて、次は実際に療育を探した際の体験談です。
そもそも療育が具体的にどういう種類のあるものかもわかりませんでした。
ひとまず、診断を受けた際に”支援事業所一覧”というリストを医師からもらったので、それを頼りに最寄りの施設を見学しようと連絡してみました。
まず”放課後デイサービス”を見学しようと連絡をしたのですが、最初の2件は空きがなく、次に連絡した2件が支援事業のみの事業所(放課後デイサービスは運営していない)でした。
相談支援って何?実際の対応と体験談
リストを頼りに連絡したところ、そのうちの2件が相談支援のみをしている事業所でした。
ここでは、その相談支援に連絡してよかったことがあったのでそのことについて書いていきます。
まず1件目の相談支援は電話で療育についてや受けられるサービスについて親身になって説明してくださいました。
条件に合わせた放課後デイサービスをいくつか挙げていただき、資料も自宅まで持ってきてくださいました。さらに、緊急を要する親のメンタルケアに対する相談先について、そのような機関がないか相談したところ、調べてくださり、「相談機関はないが、好ましいと思われるアプリを見つけましたと」後日連絡をくださいました。
2件目が特定相談支援事業所だったようで、放課後デイサービスを探している旨を伝えると事業所へ訪問しての相談になりました。

この時は特定相談支援事業所の存在も知らず、ひとまず相談ができるということで具体的なことは何もわからずに事業所へ行きました。
次女も同席しての軽い面談、聞き取りの後、我が家の希望を確認していただき、次女の相談支援を引き受けていただくことになりました。
申請時に選択しなくても後から支援事業所をつけられた
そういった流れで、結局支援をつけることになった次女の療育探し。
次女の支援の内容としては、希望条件にあった放課後デイサービスをを探すこと、そのための施設への連絡、見学の問い合わせをしてくださいました。また、見学も同席していただき、一緒に実際の環境を見ながら検討を進めていただけました。
放課後デイサービスが決まった今は、その後のモニタリング(定期的に児童の様子を確認していただき、今の状況で問題がないか、今後どのように進めていくことが適当かなどのサポート)をしてもらっています。
放課後デイサービスの見学体験談
次女の利用先は見学2件目で決めたので、私は2件しか見ることがなかったのですが、それでも施設によって全く違うのだなと思ったので、それについて紹介します。
最初に見学した放課後デイサービスは、小学生から中学生までの利用がありました。形態としては発達特性のある子たちが集まって、程よくコミュニケーションを取りながら、お互いの時間も過ごせるといった、学校にある放課後の活動教室のようなタイプでした。宿題や外遊び、おやつを買いに行くなどの普段ようなコミュニケーションを理解のある大人たちがいる環境下でできるという感じです。
特に専門性のある知識を持った方はいませんが、発達特性への理解をもった大人や元保育士の方がいらっしゃいました。
2件目は運動や料理などの集団経験を通してコミュニケーションを学べる場を提供しているところでした。言語聴覚士や理学療法士など、専門性のある方もいて、スタッフも元看護師や保育士の方で子どもへの対応にも安心感がありました。
施設ごとに全く違う
見学で感じたのは施設ごとに全く違うのだなということです。
ただ、ある程度発達障害やその特性に関して理解のある大人のもとで過ごすいう共通点があるのかなと思いました。そして、これがとても大切なことなのではないかと感じました。

どんな施設を選ぶかは大人の意見よりもその子どもに合っているかだと思います。実際に見学に行って、その場の雰囲気、子どもの反応を見て、子どもに合っているところを選びたいですね。
これに関しては次女のことを通してとても実感しているので、別の記事で書いていこうと思いますが、一件目の施設のスタッフのお話で考えさせられることがあったので、ここではそれを紹介したいと思います。
1件目に見学した放課後デイサービスでのお話
最初に見学した放課後デイサービスでは、放課後に集合して宿題やおやつなどを食べたり、遊んだりしている子もがほとんどですが、中には学校へ行けない日に、代わりに施設へ来ている不登校がちな中学生の子もいました。
お話によると、他にも、高校生になって通所の対象ではなくなっても、たまにスタッフと話に来るという子もいるそうです。
私はこのお話を聞いて、本人が必要とするときに、話のできる信頼のおける大人が両親以外にいるということは大切なことなのかもしれないと思いました。
発達障害の特性がある子は周囲との違いなどに悩んだり、指摘されたりなど、より悩みや不安、不信感を増幅させてしまい、不登校やひきこもり、ほかの精神障害などの二次障害に悩まされる確率が高くなると聞きます。
他人にわかりにくい問題を抱えることはとても困難で複雑なことです。
特に思春期、困りごとが一気に増えるであろう時期に、そういった存在が重要になることもあるかもしれないと感じました。
放課後デイサービスの利用を決める
我が家は、次女の様子を見て2件目の放課後デイサービスを選び、利用してみることにしました。利用前には次女の特徴や親が心配に思っていること、気になることなどの面談を通じて、希望する対応や曜日を決めました。
利用開始後は利用日に施設の方が小学校まで迎えに来てくださり、施設まで連れて行って、時間までを過ごすと家まで送り届けてくれます。送っていただいた際には今日の様子を細かく報告してくれます。
まとめ
ここまでが我が家の次女の場合の療育(発達支援)を利用するまでの動きです。
始めは何をどう調べればいいのかわからずグダグダになってしまった療育探しですが、今は次女も楽しく放課後デイサービスを利用しています。
結果良ければすべてよし!この体験が誰かのお役に立てれば幸いです。
利用して思うことは、やはり何となく自分に気を配ってくれる理解のある大人がいると次女自身も安定するのだなということです。安心して過ごせる時間に少しでも成長する瞬間ができればと思います。
また、今回のことで、成長段階に応じて対応を相談できる相手がいることも大切なことだと思いましたし、そういう場があると親も安心だなと思いました。
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