「日常ー学び」では発達障害を持つ我が家の姉妹のエピソードや、そこから学ぶこと、ちょっとクスっと笑える日常の会話まで、息抜きになるようなお話も書けたらと思います。
小学生になると漢字学習が始まります。学校で漢字を習いだした次女。けれど、彼女と漢字学習の間にはその特性ゆえに多少の困難がありました。混乱、愚図り、漢字に喧嘩を売る…。
そうして3年生にもなると、相当な数の漢字を習ってきます。そんな先日、漢字ドリルに取り組む次女の姿に成長を感じたことがありました。
今回は、そんな次女が少しずつ漢字との距離を縮めていく様子を書こうと思います。
ASD 次女と漢字
混乱
小学校に入って漢字を習いだした次女は意気揚々と漢字学習を進めていました。初めは漢数字などなじみのあるものから。そして少しずつ画数の少ないものからと、それなりに次女も楽しんでいるようで、少しずつ学習は進みます。

まま~!!『男』ってこう書くんだよ~!
それで~、『女』はこう!

おお、今日習ったの?

うん!

…..。

だんこって何?

ん?…..。あー!それは『だんし』だよ。

違う!これ!(『子』を指しながら)

うん、だから、『だんし』

ちーがーうーこれ!!
やはり『子』を指す次女…。
始めはこんな感じのやり取りをすることが多々ありました。
想像するに、次女は『子』は授業中にならった文章の中では『こ』としか聞いていなかった。応用を簡単には利かせられない次女は、これは『こ』である!というこだわりから抜け出せなくなった。
もしくは、今考えると、次女としては「これは『こ』と読むのか?」という確認をひとまず私にしたかったのかもしれません。まず、私の「そうだよ。」という言葉が欲しかったのかも。
この手の引っかかりは日常茶飯事で、私は次女の意図がわからずに、次女は次女で自分が思っているから伝わっていると思い込んですれ違うということが非常に起こります。
こうなると、いまいち次女の頭の中で起きている疑問がわからずに、それに対しての解決策が立てられず、結果、次女はそのまましばらくすねる。といった状態になりがちです。
今でこそ、こういうことかな?と推測することはできるようになってきましたが、その時は質問の意図が私に届くことがなく、

ん~?ちょっとどういうことを聞かれているのかわからない。
と言うしかなかったははでした。
心構え

漢字はね、一つの漢字でもいろんな読み方があるんだよ。
次女も習っているはずですが、度々漢字に対して混乱を見せる次女に改めていうははです。
すると、次女はその日は調子が良かったのか

そうなんだ~
と、納得してくれました。
納得してくれるかな?愚図らないかな?実は緊張しながら言ったはは。幸いすんなり受け入れてくれた次女に一安心です。
学校では音読みと訓読みを習ってくるはずですが、よく聞く方を採用してしまいがちなのかもしれない次女も、こうして、漢字に対する心構えが少しずつできてきたようで、受け入れられない日もありますが、少しずつ受け入れられるようになりました。
言葉に厳しいASD
とはいえ、ASDの特徴からか、次女は正しい言葉というものに反応を示しやすい性質を持っているように感じていて、漢字の例文に突っかかることがよくあります。
次女の様子を見ていると、まだ言葉を学習途中の次女にその言葉へのこだわりが発動すると、正しい言葉=日常でよく聞くもののみということになるのかなと感じています。
年齢にしてはある程度の語彙力も習得してきた次女ですが、そのぶん、1年、2年と学習が進むにつれて、自分の認識する正しい言葉というものに根拠のない確信を持ち始めたのか、自分の知っているもの以外の聞きなれない読みに、ますます反応を示すようになっていきました。
漢字に喧嘩を売りながらも距離を縮める次女
ここからはただ、経験を積むのみ、新しい読みを受け入れる格闘を重ねる日々です。
ずしょ

みて~!まま。ほら、字、きれいでしょ

おお~!ほんとだ!きれいな字で書いてるね!!
あ、ここ『図書』は「ずしょ」じゃなくて『としょ』だね。

図工の『図・ず』だもん!!

ほら、でも、『図書・としょ』の時間があるでしょ?その『としょ』だよ

図工の『図・ず』だもん…。
体中→からだなか

か・ら・だ・な・か…。

は?

え? は?

おかしいじゃないのよ!?そんなのわかるわけないじゃない!!なんで体の中がシワシワくしゃくしゃだってわかるのよ!!?

(笑)それ、からだじゅう だよ

え!? 何それ!? 書いといてもらわないとわからないじゃない!!

いや、それ読み仮名書くやつでしょ…?と、いうか、どんな例文!?
(これ、体中のシワが何とかという例文だったのか?例文が何だったのか覚えていませんが、とにかく、次女は体の中の様子を表す文章と判断して、見ることができない体の中のことがなぜわかる!!?と相当怒っていました。)
みどりちゃ

みどりちゃ…。 まま、みどりちゃって何?

え?あ、それ、緑茶だわ。

ああ~、りょくちゃかぁ~。これがあのりょくちゃかぁ~。(我が家の姉妹は緑茶好きです。)りょくちゃって、みどりちゃってかくのね。

そうねー。
え・え・え・えええええがぁぁあああ
そして、3年生、一学期も終わるころ。
次女が漢字ドリルを真剣に覗き込みながら、

え・え・え・

?

えええええ

!?

えええええがぁぁあああ

!!?

……..。

………。

!!? 笑!

それ、『かいが(絵画)』やわ

ああ~、『かいが』か。

ちょっと怖かったわ 笑
この読み方は何だろう?と考える次女の姿に成長を感じたははとずいぶん漢字と仲良くなってきた次女でした。
自分の知らない読みに愚図ったり、違う読み方でとらえ違えて怒ったり、漢字学習だけでもずいぶん紆余曲折あるけれど、少しずつ馴染んでいっていることに喜びを感じます。

ここまで、読んでいただきありがとうございました。よかったら、ほかのエピソードにも寄り道していっていただけると嬉しいです。↓
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